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zoom RSS 「肝っ玉おっ母と子供たち」千穐楽観劇 無名塾

<<   作成日時 : 2017/12/27 15:17   >>

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11月12日 能登演劇堂 4列センター

以前、演劇鑑賞の大先輩に言われたことがある。
「見た後に何も残らないもん。その時はわ〜〜となるけど。」
これは、私が小劇場系の演劇が好きだ、と話したときの彼女の答え。
この答えの真意は観劇後の余韻とか感動といった単純な話ではなく、(話せば長くなるので割愛するが)「新劇」の歴史と役割の話。その昔演劇は啓蒙の場であり、今でも演劇鑑賞会は学びの場なのだ。
演劇にある種刹那的な楽しみを求めていた私に、新たな視点を与えてくれた人が彼女。その観劇人生と重なってくるのが仲代達矢さんと無名塾だった。
無名塾発足当初から付き合いのあるその人のおかげで、能登演劇堂での千穐楽公演観劇と、塾生数名をお迎えしての夕食会に参加できた。流石に仲代さんはお見えにならなかったが、メッセージとお酒をいただいた。
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仲代達矢さん、題材に対する深い考察と長年にわたる役者としての鍛錬は、最近のテレビ放送(https://www.nhk.or.jp/docudocu/program/2443/3115292/index.html)にも見て取れる。映画やテレビドラマでとても有名だが、反戦のリベラリストだ。
その集大成とも言えるのが「肝っ玉おっ母と子供たち」。
彼の一世一代の公演。
ブレヒトは過去にたくさん上演されてきたし、この「肝っ玉おっ母と子供たち」も栗原小巻さんらの主演で何度も上演されている。過去の我が国の新劇の歩みとも重なっている気がする。でも今後こうした題材が上演されるかどうかは演劇界にかかっていると思う。いつまでも仲代達矢はいない。

能登演劇堂の真骨頂は、舞台奥の壁が開いて外の風景も取り込めること。過去にはそこから実物の馬に乗った兵士が現れるなどという演出もあったようだが、今回は紅葉の残る中央ヨーロッパを荷車を引く一家がやってくる、冒頭場面から堪能できた。

そして最終場。ただ一人荷車を引くおっ母、その表情。それに尽きる。
絶望の淵を覗き込んだかのような表情。

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以下、公式ページより

長く果てしなく続く戦争の中、幌車を曳いて軍隊に付き従い、戦況を睨み町から町へ行商して稼ぐ女商人・アンナ。
女手一つ、三人の子どもの「肝っ玉おっ母」として戦火を渡り歩き、がむしゃらに生きるその逞しさ、やがて彼女たちを飲み込む、救いのない運命――。戦争の本質を描き出すベルトルト・ブレヒトのこの異色の反戦劇に、1988年、無名塾は挑戦しました。
約30年を経て、今こそこの作品を、この母親役を、どうしても演じなければならない。
仲代達矢のその強い想いのもと、無名塾はひとつになり、命の重さと戦争の愚かさを伝える名作に再び挑みます。

作ブレヒト 訳丸本 隆
演出 隆 巴
出演
仲代達矢
小宮久美子 長森雅人
松崎謙二 赤羽秀之
中山 研 山本雅子
本郷 弦 鎌倉太郎
進藤健太郎 川村 進
渡邉 翔 井手麻渡
吉田道広 大塚航二朗
十代修介 高橋星音
田中佑果 橋真悠
他 無名塾


・・・・・・・・・
前日、宿近くの史跡を訪れた際、受付の女性とこの劇の話になった。その人もすでに観たとのことだったか、絶対に暖かくして行ってください、と言われた。劇場はどこも暖かいから薄着で行こうとしていた夫。観劇してみて分かった。終幕の十数分、奥の壁が開く。とにかく寒い。観劇後の夕食会の時もその話になって、ロングランの季節が進むとだんだん寒さがきつくなっていき、特に死んだ娘を演じた山本雅子
さんは大変だった、と。本当の死人じゃないから息をする、すると白い息が上がっていって死体にならない、と。

夕食会の時の役者さんのお話で、狂言回しのように舞台の上や下に登場する負傷兵を演じた松崎謙二さん、たまにしか出ないから簡単だろうと思うかもしれないけど、実はアンサンブルとして始終舞台上にいて、着替えがすごく大変だったとおっしゃってた。主役と数名のメインキャストの他は皆カトリック側だったりプロテスタント側だったり大忙し、と皆を笑わせていた。

若い役者さんとお話をすると必ず出てくるのが「今回初めて仲代さんと同じ場にいたんです。」とか「初めてセリフを交わしたんです。」とか、仲代さん愛に満ちた言葉。慕われてるんだなと思う。

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